This and That

-あれも、これも-

ピンクとグレー

噂のピンクとグレー

http://www.kadokawa.co.jp/pink-gray/

図書館とかで入ったら借りようかなーくらいの軽い気持ちだったのですが

本屋さんに入ったらちょうど目の前に置いてあって

これも何かの縁だと購入いたしました

ぴんぐれ.png

本の装丁もきれいで、カバーをめくってみてもイラストが←読み終わった後にみるとなおヨシ

シゲさんはジャニーズウェブとかの日記の文章が面白かったけど

小説書くとなるとまたちょっと別だしね~と斜にかまえて読みました

まずはネタバレなしであらすじをHPより引用

大阪から横浜へ越してきた小学生の河田大貴は、同じマンションに住む同い年の鈴木真吾と出逢い、

中学高校大学と密接した青春時代を送る。

高校生になった二人は、雑誌の読者モデルをきっかけにバイト替わりの芸能活動をスタート。

大学へ進学した二人は同居生活を始めるが、真吾がスターダムを駆け上がっていく一方で、

エキストラから抜け出せない河田だけが取り残されていく。

やがて二人は決裂。二度と会うことのない人生を送るはずだった二人が再びめぐり逢ったその時、

運命の歯車が回りだす…。

なるほど。そして読み終わってからHPを見たんですけど

何この恋愛漫画チックなイラスト・・・(笑)

きゃら.bmp

ちょっと私のイメージとは違いましたが・・・

とりあえず読んでみましたよ。先入観なしで

読書.png

さ、以下感想&あらすじです。ちょっとネタバレ・・・

さて、以下感想。

いやーびっくりしましたよ。シゲさんやるねと

私はけっこう小説を読む方ですが、一般の小説家さんらしく描けてると思いました

まぁ、もちろんちょっと回りくどい表現が多いとか、前半の少し間延びした感じは

まだまだ推敲の余地があった気はしますが処女作ですもんね。

えらそうな事ゆってますが・・・

内容としては主人公である河田大貴ことりばちゃんの目線で話が進むのですが

友人の鈴木真吾ことごっちとの幼少期からの回想です

ごっちとりばちゃんは友達でいつも一緒。高校時代はバンドを組んだり

読者モデルをしたり。そのうち一緒にルームシェアしながら大学へ行き

俳優活動を2人で始める

そのうちごっちは白木蓮吾としてどんどんスター街道を走るが

一方のりばちゃんは河鳥大として芸能界に身をおきながらも事実上はフリーター

大貴はどうしてもごっちの活躍を受け入れられず、ねたみながら

どんどん二人の距離は離れてしまい気がつけば音信不通に

そうして数年が流れ同窓会が開かれ二人は再会

気まずいながらも二人だけで酒を酌み交わすうちに会話がはずみ

元通りになれるかとおもった矢先

ごっちは自殺

そこにはりばちゃん宛てに遺書が

大貴はごっちの気持ちを汲み取り遺体を白木蓮吾としてみえるように手を加えてしまったため

あらぬ容疑で取り調べをうけ拘束されたが

世間はそんな大貴をヒーロー扱いしたため俳優として注目をあびることに

そんな中、大貴は白木蓮吾のことをつづった本を出版することに

(その本の内容がいままでの回想シーンにつながっている)

その本を映画化するという話が持ち上がり

木蓮吾の役は大貴自身が演じることとなる・・・

彼のことを深く考えるうちに大貴にはごっちの気持ちが手に取るようにわかった

最終章は蓮吾目線ですすみます

大貴が演じる蓮吾の声なのか

はたまた蓮吾自身の声なのかはっきりしない形で書かれていますが

蓮吾の喜び、悲しみ、怒り、絶望が苦しいほどに吐露されて

なぜ自ら命を絶ったのか、その理由が描かれています

そして最後の最後蓮吾のすべてを演じきった大貴も同じ道をたどることに・・・

内容としてはとても衝撃な内容で若者の悲しみ、絶望に満ちていました・・・

そこまで何も追い詰めなくてもと言ってあげたくなるくらい

どろどろと自分で作り出した沼にはまっていってるようなお話でした

その最終章の文章はとてもぽんぽんといいテンポで進んで

まさに上りきったジェットコースターが一気に走り出すような感覚でした

ぜひともアイドルの先入観はすてて読んでいただきたいなと思いました

そしてぜひこれは映像化で見てみたいなとおもうそんな小説でした

たぶんいいお話にしあがるんじゃないかしらね

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